vol.6 トオイ→しょ
(嗚呼、) 高校生



<トオイの選曲>
1. Bill's Hit Tune / Bill Evans 『Turn Out The Stars』(1980)
2. Nardis / Ralph Towner 『Solo Concert』(1979)
3. April In Paris / Sarah Vaughn  『with Clifford Brown』(1954)
4. That Old Feeling / Chet Baker  『Chet Baker Sings』(1956)
5. Listen Love / United Future Organization  『Listen Love』(2001)
6. Seven Steps To Heaven / Miles Davis  『Four &More』(1964)
7. Dead Indeed / Nils Petter Molvaer  『Solid Ether』(2001)
8. ワンダーフォーゲル / くるり  『TEAM ROCK』(2001)
9. 風を撃て / キリンジ  『2 in 1』(1999)
10. ゆらゆら帝国で考え中 / ゆらゆら帝国  『ゆらゆら帝国III』(2001)
11. With This Affection / Port of Notes  『Complain Too Much』(1999)
12. 胸いっぱい / サニーデイサービス  『LOVE ALBUM』(2000)

2008.8.2.
トオイダイスケ


<しょの感想>

えーと...多感な高校生だったんですね(笑)

すごいなあ。
昔から、スタイルやカテゴリじゃなくて、内容とちゃんと向き合ってたんだね、というのが、よくわかる。
し、ブレてないね。今と思いきり連続している。
トオイはどういう高校生だったんでしょう。今と何も変わらなかったりして。

なんつーか、この並びを聴くだけだと、ぜんぜん甘酸っぱい感じがしません。はは。
でも、こりゃああなた、北関東で、共通の趣味を持つ同級生の女の子なんかいた日にゃ、もう、ね。
今度この選曲に対応する思い出でもじっくり聞きたいものです。
(# と、感想を書いたあと、説明メールを見ました。なるほど。)

(以下は先日話しましたが、)
非常に興味深いのは、ご存知のように、僕が高校時代に聞いていたものも、完全に「ジャズ」「ヒットチャート外の日本人」の二方向に集中しているのね。
なんだけど、それぞれの詳細が、ことごとく違う!
ラルフ・タウナーは名前も知らなかったし、エヴァンスはバラードの美しい人というだけの認識だったし、マイルスや歌モノはどちらかというと避けていました。
で、ベニー・ゴルソンをやたら集めたり、ミルト・ジャクソンをやたら集めたり、あとはもうひたすらブルーノートでした。今でもうちにモブレー=モーガンの無名アルバムとかが、カセットでわんさかあります。
日本方向は、クラムボン、バタードッグ、LaB LIFeから、BOaT、MONG HANG。
サニーデイもキリンジもくるりも、知ってたけど高校時代はほぼ聞いてなかった。

なんだろう、この、あまりに近くてあまりに遠い感じ。
この違いが、お互いをどのように構成してきたんでしょうね。
(でも君の方が高校生としてはきもちわるい度合いが高いと思う!)


どうでもいいけど、高校時代の「試験前に部室開けたら、酒井が電気消してジャンゴ弾いてたから、こりゃまずいと思って見なかったことにして帰った」というエピソードを思い出しました。
高校時代ももう10年前か。歳をとりました。


2008.8.3.
酒井匠


<トオイのリターン>

はい。
今回は、"嗚呼、高校生"ということで、テーマはかなり自在にたてられそうだったけど、 考えたあげく、結局自分の高校時代に聴いていたものをリストアップする方向になりました。

しかし、当時聴いていたけど今は持っていなかったり、当時聴いていたけど今の自分にその音楽のエッセンスが残っているかどうか、微妙なものというのもいろいろあるわけで、ちょっとじっくり選べなかったのが心残りではあるんだけど、今にもつながっているものを今回は選びました。

すると、ぼくにとっての"高校生"という感覚は、大学に入って少しのあいだも続いていたということが思い出されます。
まだ東京での大学生活に慣れていなかったというか、高校のときからのFMやレコード屋に足を運んでいたときの感覚と地続きのままだったのか、それとも、ずっと成長しないままだったのか、たぶんそういうことなのですが、ともかく全体的には、中三〜大一くらい、広義の思春期(?)というイメージになりましたが、一曲一曲説明したいと思います。

1…これは、初めてしっかりはまったジャズのピアニストがビル・エヴァンス、しかも晩年のだった、ということです。
よく考えると、エヴァンスというよりも、ベースのマーク・ジョンソンにはまっていたというほうがある意味正確で、のちのぼくに大きな影響をもたらしています。

2…これは、エヴァンスから始まって、ECMに向かったという流れです。よく聴きました。ギター音楽や、ソロでの演奏が好きになったきっかけだと思います。

3…これは、ジャズヴォーカルを聴くようになって、といっても当時は大して聴いていなかったですが、心地よい気持ちになりながら聴いていました。クリフォード・ブラウンもすばらしい。うたが好きだという点につながっていますね。たぶん。

4…これは少し違う話で、大学に入った年に、当時は天王洲アイルで行われていたJ-WAVEのフリーマーケットに遊びに行ったとき、500円くらいで買ったものです(中古、ジャケなし)。せこいことに値切ろうとした(!)のですが、これを売っていた女の人に、「これは名盤だよー」と説教されて、買ったものです。ありがとう。

5…これはクラブ系の音楽にはまっていた頃、リアルタイムで出た新譜でした。今でも彼らのセンスはけっこう好きかもしれません。

6…これは定番です。よくこれをかけながらベースを弾いて練習しました。

7…これはドラムンベースかつECM、ということで、当時話題になっていた記憶があります。今はどうなんだろう。空気感は好きだけど。ドラムンベースという音楽には、高校生だった頃の雰囲気を感じてしまいます。余談ですが、その頃の記憶というと、東京に遊びに来たときに行くところとリンクしたりしています。渋谷HMV。ブックファースト。下北沢ハイラインレコーズ。ヴィレッジヴァンガード。うーん。

8…これは、東京に引っ越してきた日の車の中で聴いていました。首都高の高松出口を下りながら、東京に来てしまった、という気持ちになっていたことを思い出します。希望と不安。ノスタルジック。今は希望は1ミリくらいしかありません。。

9…これは大学に入ってからよく聴きました。当時は世田谷のコートでフットサルをして遊んだりしていた(!)ので、その行き帰りの世田谷の風景がキリンジとしっかり結びついていて切なくなります。うーん。

10…これは、たぶん地元の図書館で借りて知ったものです。図書館にこの手の日本のポップスが並び始めた頃で、今回は挙げませんでしたが、同じようにそこではっぴいえんどを初めて借りて聴いて、すごくこわい音楽だな、と思った記憶があります。

11…これは、たぶんFMを聴いていて知って、ハイラインで買ったものだと思います。おしゃれ系好きのルーツ(?)。でも質感の好みという点では、今と変わってないんだな、と気付かされます。

12…今でも好きです。

あかぬけてないな。。


2008.8.2.
トオイダイスケ


次回 しょ→トオイのお題:「夏の終わりに聴きたい曲たち」